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行きつけの本屋についての話

はじめに

 この記事はCCS年末の恒例行事CCS Advent Calendar 2019表10日目に寄稿する記事(遅刻)である。9日目は抹茶(@mattyan1053)さんの「【C++】ステートマシンをつくる【OpenSiv3D】」、11日目は四季(@ex16night398)さんの「スプレンダー学続論Ⅰ」である。先代と今代のWeb管理に囲まれて非技術系でいいのか不安になる。

くどいので要約「本の買い方って本当に人それぞれだよね」

 本をどこで買うのか。
 これは各人のライフスタイルや価値観、読む本のジャンルにより様々な回答が得られるのではないだろうか。
 紙書籍だけに限定しても多くの選択肢が上がる。例えば、行動範囲が狭い小学生は家の近所の小さな個人経営の店で買い、高校生は参考書を求めてターミナル駅に隣接したビルにある大規模な本屋で買う。大学生は専門書の品揃えや洋書購入の利便性などの理由から学内の書店で買うようになるだろう。教員から教科書として指定された書籍が学期始めに一斉に入荷され、在庫がある限り一度の購入で教科書が全て揃う仕組みも便利だ。生活協同組合やそれに類する組織に加入すると多少の割引が効くことから、多少の時間がかかってでも全てを生協で購入しようとすることもある。社会人は通勤に便利な駅や社員割引が実施されている商業施設のテナントで買ったりもするのではないだろうか。実店舗で買うだけでも立地や購入できる本の分野が異なる書店が挙げられる。また、ECサイトでの購入でも多様な回答が得られるであろう。食料品、日用品、文具、玩具……等の多くのカテゴリをもつ総合的なECサイト――AmazonYahoo!楽天――の書籍カテゴリにある商品を購入するだけでない。本に特化したサイトにも大手書店チェーンが運営するサイトや通販専門の書店サイト、電子版と紙版の両方を扱うサイト、全国に広がる書店ネットワークを一般向けに開放したもの等がある。電気屋やスーパーのECサイトが書籍を扱っている場合もある。私が個人的にあまり好きではないので詳しくは述べないが、古本と呼ばれるものも多様なルートで取引されている。
 電子書籍*1派も多い。電子書籍配信サイトも多様な種類に分かれる。漫画が多いサイトだけでもコマ毎に表示するサイトや閲覧に月会費が必要なサイト、多くの書籍を扱うことを売りにして二十年以上前に完結した絶版漫画がここでだけは電子で読めるサイト等がある。漫画だけでなく一般の書籍を扱うサイトでは他のサイトでは電子版がない教科書的な書籍も電子書籍を想定していないレイアウト*2ながら販売されていることもある。

 何故今本の買い方の話をしているのかと言えば、本屋の話をしたいからだ。私の行きつけの本屋の話がしたい。
 その本屋は電子書籍販売の老舗、ebookjapanである。どの類型かというと、会員資格の維持が無料で、特に定期的に支払うべき金銭が発生しないタイプ。コマ毎の表示がなく、先に述べた漫画全般に強く絶版漫画をも販売しているサイトである。闇狩人(旧版/坂口いく)を唯一扱っているサイトであることから利用を始めた。初回購入者には半額クーポンが配布されるので利用されたし。しかし初回半額クーポンの割引限度額が500円なので大した割引率にはならない。私の場合は割引率10%を下回った。何故だ。
 多少の不満*3はあれど私はこのサイトを気に入っているのでその割引及びポイント付与システム周りを中心にebookjapanの戦闘スタイルのカオスを語ろうと思う。*4

運営「初月から飛ばすぜ!」

 例えば10千円を支払ったとしよう。10千円という数字に特に意味はない。単に計算し易く、かつ私の毎月の課金額に近いという以外に意味はない。
 私は税込千円毎に3-5円分の交換レート*5になるポイントが2ポイント*6貯まるクレジットカードで決済している。10千円の決済では20ポイントになる。また、ebookjapanは特約店なので千円当たり更に1ポイントの上乗せがある。10ポイントである。毎月全自動でTポイント5ポイントに交換している*7ので150ポイントになる。
 ebookjapanはYahoo!電子書籍サービスなので、Yahoo!プレミアム会員(月額508円)やソフトバンクユーザー*8になんらかのボーナスポイントを付与している。非ソフトバンクユーザーのプレミアム会員*9は金曜日に所定の手続きを取るとあれこれ取り混ぜて20%分になる。内訳は一般会員も貰えるTポイント(通常ポイント)1%、プレミアム会員が金曜でなくても貰えるPayPayボーナスライト(即時付与)1%、翌月下旬に纏めて付与される金曜日ボーナスとしてのPayPayボーナスライト18%である。なお、2019年8月(7月利用分)まではPayPayボーナスライトの19%分はTポイントの期間固定ポイントで付与されており、今より寿命が短く用途もYahoo!系のサービスに限定されていた。これがTポイント100ポイント、PayPayボーナスライト1,900円分相当である。また、金曜日に買うならプレミアム会員限定で15%引きの週末クーポン券も貰えるので支払額10千円は元値11,765円に相当する。実に1,765円の値引きである。
 ここで一月目に私がebookjapanに10千円注ぎ込んだ結果を纏めよう。Tポイント1ポイントは原則1円に相当するから250円(クレジットポイントの交換150ポイント、Yahoo!サービスの利用に100ポイント)、PayPayボーナスライトが1,900円、値引きが1,765円、合計3,915円分得をしている。実際に支払ったのは10千円とYahooプレミアムの月会費508円、〆て10,508円である。この取引の損益については実質幾らであるかを計算する考え方と、幾らの価値を得たかを計算する考え方があると思う。実質支払額を計算すると実際に支払った10,508円から付与されるポイント2,150円分を差し引いて実質8,358円である。11,765円分の書籍を実質8,358円で購入したことになる。得た価値を計算すると、書籍代11,765円に付与ポイント2,150円分で13,915円分である。どちらにせよ支払いの約1.4倍の価値を得たことになる。私は11,765円分の本を買いたかっただけなのに、大きなオマケが付いてくるのである。効用が高まらないわけがない。カオスである。ちなみに支払金額10,000円に対してのポイント等の還元率は21.5%になる。

運営「PayPayボーナスライトを他所で使う? ノンノンうちで使うべきだよ」

 2月目のカオスは初月より衝撃が少ないので安心してほしい。
 まずはPayPay残高に先月の買い物で付与されたボーナスライトが全額入金されていることを確認する。後日付与の分は翌月中旬から下旬にかけて音沙汰もなく付与されるので手動で確かめよう。確かめたらebookjapanで買い物する。例によって金曜日20%還元と15%引きクーポンを併用。また、一部代金をPayPay残高から支払って残りをカードで払うことができるのでPayPayも使用する。ただし、PayPayとTポイントの併用はできないので別日に本を買うか別に使うかで適当に消化するしかない。毎月溜まっている限りは実質的に永久不滅ポイントなので1年溜めてある日ドカンと1銭も使わずに本を買うのもアリだし、主婦の皆様は毎月20日のウェル活*10に使用しているようなのでそれに使うのもありだろう。
 今月はカード10,000円+1,900円で11,900円まで本を買える。15%引きクーポン適用前で14,000円になる。これに付与されるポイント等を計算しよう。クレジットポイント(→Tポイント)が150円分、Tポイントが119円分、PayPayボーナスライトが2,261(119+2,142)円分になる。Yahoo!での買い物に付く分のTポイントとPayPayボーナスライトはクーポン使用後の支払額全体に対して付与されるのでPayPayをいくら使おうが付与額は変わらない。そして、また後日付与される分になるがPayPayボーナス*11が1%付与される。こちらはPayPayで払った分だけなので19円分である。10,000円払って14,000円分の本を買えて、2,549円分のポイントが返ってくる。支払金額10,000円に対して25.5%分のポイントが返ってくる。カオスだ。あ、プレミアム会員費508円を忘れていた。しかし誤差である。
 なお、私の雑エクセル処理によるとPayPay無限転生は5か月目辺りで飽和し、ボーナスライト2,350円+ボーナス23円の計2,373円になる。また、1回当たり10,000円相当がボーナスライト18%分の限界なので飽和状態でのクレジット決済上限は約42,534円/回になる。また、全くPayPay残高を使わず15%引きだけの時は約52,632円が限界になる。*12

いつもやってる企画に関してはもう書くことがないのでTips(小ネタ集)

 特に書くべきTipsも心当たりなかったりするのだが頑張ってネタを出してみようと思う。

1. 損益分岐点

 この場合の損益分岐点*13はプラスアルファで貰えるポイントとプレミアム会員の会費が釣り合う点である。2019年11月現在の会費は月額508円。消費税増税のせいで499円という覚えやすい金額から斯様に中途半端な金額になっている。このプレミアム会員はYahoo!のサービス全般を少しお得に使えるようになる*14権利の月額販売なので、Yahoo!全体で貰えるポイントや割引額の総和で加入するかどうかを判断すべきであるが、今回はebookjapanの記事であるのでebookjapanの利用だけでペイできる金額を示す。なお、これはクーポン適用及びポイント利用前の元値である。常時貰える1%ボーナスライトのみの場合、50,800円である。石油王なら余裕。週末しか本を買わない人の場合、15%引きクーポン利用で約3,890円である。月予算単位なら余裕。金曜20%還元+週末15%引きクーポンを併用できる金曜日にしか本を買わない人の場合、1,630円である。ふらりと本屋に立ち寄ったが最後、退店して意識を取り戻したときにはもう本が自分に着いてきていた、と言い張る人なら1回の購入で終わる。この様に日を選べば容易に会費以上の利得が得られるので自室の本棚が常に飽和しているタイプの人はYahoo!プレミアムを始めてみるとよい。

2. ヤフーカード

 確か、ebookjapanを利用するのに一番お得で学生でも作れるクレジットカードはこれだったと思う。Yahoo!系サービスで常時Tポイント2%+PayPay残高付与。ただ、私自身はこのカードを持っていないのでこれ以上特に言うことはない。PayPayに手動でチャージできるただ一つのクレジットカード。期間限定ポイントを10,000ポイントばら撒く企画が終わったらしい。

3. 対象を絞ったセール

 プレミアム会員限定のセール*15だが、たまに講談社集英社が50%還元セールをやっている。Tポイント1%、PayPay49(1+48)%である。なお、これは金曜日セールとはずらして土日から週明けまでの短期間行われる。対象作品が1つでもあるとクーポン類が一切利用できなくなるので、対象外のものも買いたいときは会計を分けなければならない。
 また、特定の作品だけを対象にして通常の週末クーポンより割引率が高いクーポンが配布されることもある。こちらもプレミアム会員限定。話題の作品を安く買えたりする。セーラームーンの完全版が電子化されたときは記念に全巻セット限定20%引き(金曜も使える)をやっていたし、金田一少年シリーズが累計1億部を突破した時は序盤の巻を無料*16にしたり割引したりしていた。セールボタンからまとめページに飛べるのでたまに漁ってみると買いたいと思っていた作品が少し安くなっているかもしれない。

4. 街中で使わなくてもアプリは持っておくと便利

 街中でPayPayを使用しない人、即ちPayPayを購入価格の19%が入金される本屋のポイントカードとしてしか利用しない人であってもアプリを持つとなんだかんだで利便性が高まる。私などはその典型で、現金でわざわざチャージするのが面倒だしとPayPayアプリを持っていなかった。持たなくてもYahoo!IDを連携させればPayPayで払うのに不自由しなかったからだ。だがある日突然アプリをインストールした。理由はよく覚えていないがYahoo!のサイトからでは利用履歴が見れないからとか心当たりのないPayPayボーナスの出所が知りたいとかだったと思う。入れたら入れたで特に用はないのだが、アプリを入れたことでPayPay残高を利用して支払った分にはebookjapanからのボーナスライトとはまた別に1%の残高がボーナスとして入金されていたことを知った。よくわからない20円分くらいの中途半端な入金に対して「私の理解と管理を超えている、心当たりがないのにお金貰って怖い」などと言わずに済むようになったのは画期的である。あと、今まで獲得、使用したボーナス/ボーナスライトの累計がユーザーページで見られるが、PayPayを始めてからebookjapanに突っ込んできた総額が凡そ分かって自分で引いた。そんな感じで少し愉快になるのでなくてもいいが持っておくと便利。

5. 平均してお得な電子書籍サイトの利用

 電子書籍はあちこちのサイトでバラバラに持つとどの本がどこのサイトなのか分からなくなって重複して買うことになりかねないのでなるべく1つにまとめるべきである。様々な特徴を備えたサイトが多くあるのでABJマークを掲載しているサイトを選んで1か所に腰を落ち着けよう。

2020/04/25追記

 恐らく2020年4月からのことだと思うが、金曜日に15%引きクーポンが配布されなくなり、金曜20%還元キャンペーンとの併用ができなくなった。また、土日はまだクーポンが配布されているが、当月と先月の新刊には適用できない。また、プレミアム会員でないと使えなくなったらしい。*17これら特典内容変更により損益分岐点が高まっているので、今から会費を払ってでもプレミアム会員になることを検討する際は常に損益分岐点の計算をしておくべきである。ちなみに2020年4月25日現在の損益分岐点は約2600円である。

*1:厳密には超長期の作品閲覧権の購入であるらしい。データそれ自体は買えない。

*2:固定レイアウト。スマホではなくPCやタブレット等の大画面で読むことを推奨している。

*3:有斐閣が殆どない。法経書といえばここなので固定レイアウトでいいから扱ってほしい。東洋経済社の誇る駆け出し経済学徒用鈍器クルーグマンミクロ/マクロができるので有斐閣の気合次第で何とかなると思っている。

*4:ebookjapanよりYahoo!のカオスかもしれない。札束の暴力。

*5:交換対象によりレートは変化する。999円までは捨てているので気になるなら別のカードを使おう。

*6:デフォルト値。特約店の利用により入会特典がない時で最大11倍になる。

*7:毎月ポイントが入る限り実質永久不滅ポイントになるため。

*8:Yahoo!系携帯会社のユーザーは特典により無料プレミアム会員になっている。該当する場合は各自自前のYahoo!アカウントに携帯を紐づけよう。

*9:私個人の環境であるので真似するときは各自で会員ステータスを確認すること。

*10:Tポイント1ポイントが1.5円分の買い物に使える。言ってしまえば33%引きだし、正直ebookjapan以上に頭おかしいイベントを開催していると思っている。

*11:ボーナスライトではないので有効期限はない。

*12:この時のクレジット決済上限はただ金曜ボーナスが10,000円分を超えて貰えないだけなのでポイントに特に拘りがない富豪ならいくらでも上限突破できる。

*13:BEP/Break Even Point。利益と費用が均衡する点で、これより売上高/個数が少ないと赤字に、多いと黒字になる。

*14:日用品のLOHACOでのPayPayボーナスやメールボックスの容量無制限など。

*15:ebookjapanのうまい話は大体プレミアム会員限定。

*16:これは非プレミアム会員でもいい。

*17:申し訳ないが利用開始の割と初期からプレミアム会員としてポイントザクザクを狙ってきたので昔は使えたのかはよく分からない。
大切なのは現状の特典内容であるので特に深く突っ込んだりはしない。